「健康保険が使えますか?」接骨院・整骨院業界の保険不正請求について

2022.05.07

よくある質問に、「健康保険が使えますか?」という質問があります。
病院はいつ、何件行っても保険が適用されますが、
整骨院・接骨院では健康保険が使える場合は法律で細かく規定されています。
保険が使えるケースは「急性のケガ」に限られます。
以下にまとめると、

1)受傷原因がはっきりしているねんざ、打撲、挫傷、肉離れ、脱臼、骨折のケガのみ
2)1)に該当するケガで受傷日がおおむね2週間以内の急性のケガに限る
3)1)に該当するケガでも病院で治療中のものは除く
4)脱臼、骨折は応急処置のみで、その後の施術は医師の許可が必要
5)受傷原因が仕事ではない事。(仕事でのケガは労災適用となります)
6)交通事故でのケガ(各種自動車保険などが使えます)
上記に該当する状態であれば健康保険適用となります。

「よくある保険が使えないケース」
●サッカーで足を捻挫したがすでに2週間以上経過している
●ここ数ヶ月ずっと腰が痛い
上記は慢性の状態で急性ではない為保険適用外です。

●自宅でぎっくり腰になって病院でレントゲンを撮ってもらったが骨に異常はなく、シップと痛み止めをもらっただけ。
医療機関ですでに保険を使っているので整骨院では重複診療となり保険は使えません。

●肩こり、スポーツでの筋肉痛
●足がはる、脚がつる
もちろんケガでは無いため保険は使えません。

今日も「足が張るので健康保険でしてほしい」とお見えになられた患者様がいらっしゃいました。
その状態ではケガでは無いので保険は使えない旨をお伝えしたところ、
「今まで行っていた近所の〇〇接骨院ではずっと保険でしてくれていた!」
と納得がいかない様子。こういうパターン多いです(;^ω^)

その近所の接骨院さんがどのような判断で「保険適用」とされたのかは、こちらではわかりません。
もし健康保険適用と判断したならば、接骨院側はカルテにケガした日にち、時間、ケガした時の状況を記入する義務があります。
また、最終的に保険を支給するかどうかの判断をするのは患者様が加入されている保険組合です。
疑義が生じれば、健康保険組合は患者さんに対して照会文を送付し患者さんからどのような症状で接骨院を受診しているのかを調査します。
また、接骨院側に疑いがある場合は保険者は接骨院の管理責任者を呼び出してカルテ提出を求められ、面接を行うこともあります。
もし、「ケガでは無いのにケガと偽って保険請求をしていた」ことがわかるとその接骨院は処罰の対象となります。
そうなれば患者さんも接骨院で保険が使えなくなる場合もあります。

当院では患者様を無用なトラブルから守る為にも健康保険の運用は法律に照らし合わせて厳密行っております。

ですので、不明な場合は一度ご自身の入っている健康保険組合に電話して聞いてみてください。
「足がはる、という症状は健康保険で施術できますか?」と。
きっと、「受傷原因のはっきりしたケガでないと使えません」と、上記の様な説明があるはずです。

執筆者:柔道整復師 栄養カウンセラー/認定ONP・認定講師 さくらの整骨院 院長 髙橋英章

尾道市・福山市の整骨院・整体院 院長 髙橋英章

学生時代から腰痛に悩まされ数々の接骨院や整体を経験。

開業後は自身の患者としての経験を活かし、その場限りではなく根本的に痛みの出ない施術・身体づくりを提供している。

一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所の栄養療法のカウンセラー資格である認定ONPを2020年福山市で初めて修得。2022年には広島県初となる認定講師の資格を修得。

栄養アドバイザーとして講演やセミナーにも力を入れている。(ONP =オーソモレキュラー ニュートリション プロフェッショナル)

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