成長痛を悪化させる悪魔の飲み物

2022.08.29

今年の春、膝の成長痛でご来院頂いていた中学生の患者さんが久しぶりにいらっしゃいました。
最近また膝が痛くなってきたとのこと。聞けば身長が3センチほど伸びたそうで。

成長痛は骨や筋肉の材料になる「たんぱく質」の摂取が足りなくなると起こります。
一般的に「骨」の材料は「カルシウム」だと思っている方が多いと思いますが、
骨も筋肉もメインは「たんぱく質」で出来ています。

身長が伸びる時は筋肉よりも先に骨が伸びますから、
食事からたんぱく質が不足すると伸びた骨に筋肉の成長が追い付かず、
筋肉の付着部である骨の先端が痛くなるのです。

また、甘いものを食べ過ぎたり飲みすぎたりすると筋肉の端っこである「腱(けん)」に糖が溜まり、糖化して硬くなる性質を持っています。
柔軟性を失った筋肉は骨の付着部をさらに刺激することになりますから成長痛には大敵です。
食事でしっかり「たんぱく質」を食べてもらうように再度お話をさせて頂き、
さらに甘いものを食べ過ぎていないか聞いていくと・・・

「サイダーが大好きで一日5、6本飲んでます!」という答えが!
夏ですし、暑いから無理もないかもしれませんが、サイダーなどのジュース類は物凄い量の「砂糖」が使われています。
だいたい500㎖で各砂糖なんと11個~15個分!一日6本飲むと66~90個分!

さらに悪いのがジュースに使われているのは砂糖よりタチが悪い「果糖ぶどう糖液糖」という甘味料。
人間の体に一番悪い行為は「甘いものを液体で摂取する事」です。
咀嚼(そしゃく)をしないのでダイレクトに腸まで届き、一気に血糖値を上げます。
上がった血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌され、膵臓は大忙しに!
大量のインスリンは一気に血糖値を「下げ過ぎ」ます。
血糖値が下がってしまうと人間は意識を失うほど危険な「低血糖状態」に陥ります。
そのため、今度は腎臓の上にある小さな「副腎(ふくじん)」という臓器から
血糖値を上げるホルモンが大量に分泌されます。

こうして血糖値の乱高下(=血糖値スパイク)が体の中で一日中繰り返されていることになります。
また、糖分の分解には体内のビタミンB群大量に消費します。
ビタミンB群は骨や筋肉の発育や自律神経の調整やエネルギー産生に必須の栄養素ですから
これを繰り返していくといわゆる「副腎疲労」を招き身体中の疲労、やる気や免疫力の低下に。
「朝起きられない」「学校に行くのがだるい」「元気が出ない」となって「不登校」「うつ」の原因になっていきます。
さらに血糖値スパイクは血管をボロボロにしていき、糖尿病や、脳梗塞、心筋梗塞の原因に。

甘いものは脳内で麻薬や覚せい剤と同じ「快楽」を生み出すメカニズムを持っています。
「快楽報酬系」といって、幻覚こそ現れないものの、立派な依存症。
続けるととんでもないリスクがあることを知っておいてください。
スポーツドリンクやジュース類は特別な時だけにして、普段は出来るだけ「水」を飲むようにしましょう。
汗をかいたら「良質なミネラルたっぷりの」「塩」も摂取しながらで。
「食卓塩」は精製塩なので身体には良くありません。
「マグネシウム」「カリウム」「カルシウム」などのミネラルを含む精製していない自然塩を選ぶのがコツです。

執筆者:柔道整復師 栄養カウンセラー/認定ONP・認定講師 さくらの整骨院 院長 髙橋英章

尾道市・福山市の整骨院・整体院 院長 髙橋英章

学生時代から腰痛に悩まされ数々の接骨院や整体を経験。

開業後は自身の患者としての経験を活かし、その場限りではなく根本的に痛みの出ない施術・身体づくりを提供している。

一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所の栄養療法のカウンセラー資格である認定ONPを2020年福山市で初めて修得。2022年には広島県初となる認定講師の資格を修得。

栄養アドバイザーとして講演やセミナーにも力を入れている。(ONP =オーソモレキュラー ニュートリション プロフェッショナル)

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